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三段全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その7)

2段構成、3段構成共に低音がスッキリと出てくれないという現象が続きました。3段構成では100Hzでの歪み率が悪かったのですが、出力トランスは違えど2段構成では100,1k,10kHzで同じ曲線を描いていたにも関わらずです。2段構成と3段構成では1点を除いて全て異なるといっても過言ではないです。その1点とは…出力管の6P43P-Eを使用しているという点です。なので出力管を代えてみる事にしました。

出力管を代えるにあたって今回の実験で注意する点は極力他の所に変更を入れない事です。初段、ドライバ段はもとより、電源周りや出力トランス類も代えない。そうすることによって、出力管を代えた事による変化を知ることが出来るのではないかという狙いです。

とはいえ、私の手持ちの球は円高時に激安の球を集めた球なので、そもそもヒーター電圧が6.3Vというのが少ない。また9ピンMT管となると更に少なくなり、それでいて出力管に使える物をリストから見つけ出す…………6GC5というのがありました。何をもって購入したのか今になっては忘れてしまった球です。五極管で三結のデータは無いですが、実測されたデータを見つけました。三結時のEp-Ip特性は6P43P-Eに似ています。プレート電圧を220VにするとSGの電圧が定格オーバーになるのですが、三結だし…、100Ω挟むし…、いけそうな球がこれしかないし…というので6GC5を使ってみる事にします。

3diffpp_6p43pe_ei_29.jpg

写真左から6P43P-E, 6GC5, 12W6GT, E34L。

見てわかるように6GC5は6P43P-Eに比べるとデカイ(太い)です。また、ヒータ電流も1.2Aと6P43P-E(0.625A)の倍くらい消費します。電源トランスにPMC-190Mを使っていて左右チャネルでヒータを分けていたので容量は十分に足り、ヒータ周りの配線はそのまま使えます。懸念はヒータで電力消費が増えた分、B電源側の電圧が想定以上に低下しないかだがやってみないと分からないので実験を続行します。

3diffpp_6p43pe_ei_30.png

出力管だけの変更と言っても、ピンの配置が異なるので出力管周りの配線を変更します。6GC5はGrid(3,6)とSG(1,8)がそれぞれ2つのピンに出ている事から、この球はピンからも放熱したいのだろうと思いましたが、実験のための球入れ替えなのでその辺は気が付かなかったことに。

通電して各所電圧チェック。少し通電しっぱなしにしてから再度電圧チェックで様子見、出力段のDC電流の調整をして音出しをしてみました。出てきた音は明らかに違います。低音もしっかりと出てくれています。出力段の球だけ変更する事はこれまでに実施したことがなかったので球変更でこれほどまでに音が変化するのかと驚きました。

気になる歪み率を計測してみました。

3diffpp_6p43pe_ei_31.png

んん、、、、っ。ノイズ分を差し引くと同じに見えます。100Hzが変である傾向も。となると歪み率は出力管ではなく初段、ドライバ段、回路構成、出力トランスの特性の何処かで決まっているらしい。初段は回路そのものが使いまわしなのでドライバ段なのか出力トランスなのか…。情報を求めてググっているとどうやら出力トランス(PMF-25P)の特性にそのような傾向がありそうです。出力トランスを変更しての計測………やってみようか…悩みどころです。

今回の実験で分かったことは、歪み率と実際に聞こえる音に大きな相関関係はなさそうだという事です。ここまで音が変化しているのに歪み率はさほど変化なし。この事実は体感しておいてよかったと思います。


後で分かったことですが、6GC5という球はどうも6W6GTの親戚の様です。なので、SGの定格オーバーは大丈夫な可能性が大きいです。
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三段全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その6)

各種特性を計測しました。

3diffpp_6p43pe_ei_26.png

周波数特性は両ch共に揃っていて低域、高域共によく伸びています。なかなか良い感触。


3diffpp_6p43pe_ei_27.png

歪み率ですが、あまり良いとは言いがたいです。1kHzと10kHzは計測時のノイズの違い(夏場なので別部屋のエアコン辺りが頑張ったかな)で右下がりの部分が異なりますが、それ以外はほぼ同じ特性。問題は100Hzです。0.1W以下がノイズとは関係無しに一律に歪んでいます。出力トランスの特性なのか、出力管の特性なのか、はたまた回路全体の特性なのか…。

3diffpp_6p43pe_ei_28.png

クロストークは両ch共に良いのではないでしょうか。ま、当初は激悪だったのですが、ボリュームから入力段への配線で左右の線を一緒にネジっていたのが原因であることが分かり、極力左右の線を離して配置することでこの特性を得ることが出来ました。


計測が終わったので数日間音楽を鳴らして様子をみてみました。
中高域は非常にクリアで音離れも良く素晴らしいです。が、低域が出てくれません。2段構成時の懸念がそのまま出た形になりました。気になるのは100Hz付近の歪み率です。電源のリプルを疑いましたが出力段で8mV程度、ドライバ段では皆無と言っていいほどでした。歪む要因は多種多様なので何処が原因なのか…。どうも他の人の作成事例を見ると出力トランスに使っているPMF-25Pにも原因がありそうですが、置き換えるとなると軍資金が…。それと、低域が思うように出てくれないのは2段構成の時と同じ現象なので歪み率とは関係無い所で生じている可能性が大きいです。回路を変更して同じ様な結果になったという事は、出力管に原因がありそうです。

三段全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その5)

いよいよ仮組から本組へ移行です。真空管のソケット周りは仮組と本組のシャーシで同じ寸法で配置したので仮組の部品をそのまま使いまわすことにしました。真空管ソケットもLラグもです。とは言っても配置にはそれなりに順番があるので、先ずは電源トランク、出力トランス、ACインレット、ヒューズホルダー、電源SW、入力端子(RCA)、ボリューム(は早過ぎました)を取り付けました。

3diffpp_6p43pe_ei_21.jpg

ドライバ段、出力段の真空管ソケット周りを仮組から移植しました。配線は基本的に行って帰って来る線同士は一緒にネジネジして他に悪影響を出さないようにします。ソケットの中央の金属部分にGND用の銅線をはわせています。この線は抵抗を少しでも少なくするために極太の銅線を使っています(単線の線材の被覆を剥いて中の銅線を使っています)。

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電源ユニットと初段のラグ板を配置しました。電源ユニットの平滑用FETは熱を持つのでラグ板の真下のシャーシに貼り付けています(フルモールド品なので下にシリコンラバーを引いてねじ止めしています)。写真上では出力段の定電流回路(LM317F)の対処方法と同じです。

3diffpp_6p43pe_ei_23.jpg

ほとんど配線終了です。因みにシャーシとGNDの接続は真ん中右側の真空管ソケットの上のLラグの真ん中の端子で接触させています。

3diffpp_6p43pe_ei_24.jpg

実は上の写真の時点で既に1度電源を入れています。ダミーロードに繋いでですが。その時点で電源ONして少しすると出力トランスが唸るという現象に遭遇して…一瞬で原因はわかりましたが、仮組までしておきながらこんなミスを犯すとは…と少々わらけてしまいました。今までの写真を見比べるとすぐにわかります。更にもう1つやらかしているのですが、それが分かったのはクロストークを測定している時だったので説明はその時にすることにします。

3diffpp_6p43pe_ei_25.jpg

電源を入れた所です。
全ての真空管が裏面になってますね…。配線を優先したが故なのですが少々さみしいです。実使用には何の影響もありません。

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三段全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その4)

ケース加工です。今回は久しぶりに塗装も行いました。

トランスの並びは真ん中に電源トランスでその両端に出力トランスを設置したかったのでトランスの位置自体はほぼ決まっていました。トランスの向きはコアの向きが90度ずれる様に配置としますが、念のために確認しました。電源トランスに100VACを繋ぎ、その時の出力トランスの8Ω端に出てくる起電力(電圧)をミリボルで計測しています。値が小さい位置が電源トランスの磁界の影響が最も少ない所になるのでその配置にします。

3diffpp_6p43pe_ei_14.jpg

シャーシの大きさが許す限り電源トランスと出力トランスを話した場所に設置します。真空管の配置は同じチャネルの出力管同士は固めて配置したいという思いがあったので6P43P-Eを2つずつ両端に、真ん中に6BQ7Aを配置とする構成にしました。AR_CAD(株式会社SHF)で作図したのがこれです。出力トランスの配線を通す穴をもう5mmほど外に配置するんだったと後で後悔しています(ゴムブッシュを無理くり付ける事になりました)。

3diffpp_6p43pe_ei_15.png

作図した内容を印刷してシャーシに貼り付け、主要な場所にオートセンターポンチでドリル位置をマークし、ドリルで穴あけ。シャーシパンチで穴あけ。ハンドニブラでガジガジして平やすりで成形した結果です。裏蓋は使いまわしなので妙な穴が空いてます。

3diffpp_6p43pe_ei_16.jpg

穴をあけ終わると、いよいよ塗装です。
塗装の前に#240,#400の耐水サンドペーパーで磨く&塗料が付きやすくするためのキズを付けます。磨く時はケースに水をかけてサンドペーパーで一定方向に平らにゴシゴシするのですが、その時に有ると便利なのがハンドサンダーです。このハンドサンダーにちょうどの大きさのサンドペーパーも売ってはいますが、私は通常のサイズの物を購入して4等分に切って(ちょうどの大きさになります)使ってます。研磨した状態が以下です。

3diffpp_6p43pe_ei_17.jpg

研磨後は中性洗剤を使ってスポンジで綺麗に削り粉を洗い流します。次に塗装をするので、洗剤で洗った後は油(手油含む)が付かないように注意してケースを乾燥させます。

塗装の大敵は油と埃です。手袋をして作業をした方が良いくらいですが、私は面倒がって裏面しか持たない様にして作業を行いました。脱脂は専用の薬剤もありますが、中性洗剤で洗っているのもあるので念のため程度にマニキュア落としで全体をまんべんなくふき取るくらいにしています。

今回の塗装には全てHoltsの物を使いました。カラーとクリアにはかなり相性があるようで、他社の製品と混在して使用すると溶けた感じになる事があるみたいです(カラーは トヨタ 1F7 シルバーM です)。

3diffpp_6p43pe_ei_18.jpg

プラサフを使用するのは実は初めてです。今まではプライマーを使っていたのですが、プライマーって透明色くらいしか無く、吹き付けた場所やムラがわからないので、色が付いているプラサフ(プライマー + サーフェイサー)を使いました。炎天下の下でプラサフ3,4回(ほとんど使い切りました)、カラー3,4回(ほとんど使い切りました)、クリア2回の吹き付けを行いました。作業できる時間の関係で回数間の乾燥時間が1日とかで塗り終えるのにかなりの時間がかかりました。

3diffpp_6p43pe_ei_19.jpg 3diffpp_6p43pe_ei_20.jpg

色々と試してみようとして失敗して裏蓋の写真では左上の部分が塗装が削れてしまいました。欲張らな方が良いですね。それと、今回はアルミに銀色(メタル)を吹き付けているので、途中で自分なにしとんの?という感覚に陥ってしまいました。次回からはもう少し違う色を選択するとします。

塗装はこれで終わりです。次回からは組み立てに入ります。

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三段全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その3)

部品を買い集めたので、先ずは電源部の部品配置を現物を確認しながら書き込んでみました。

3diffpp_6p43pe_ei_05.png

ケースに入れた時の配置を考慮して片側8Pのラグ板を2枚使用としました。上側のラグ板で出力段の電源までを構成していて、下側のラグ板でドライバ段の電源と負電源を構成しています。初段の電源は入りきらなかったので初段の回路側と同じラグ板に乗せる計画です。FETはかなりの熱を持つ見込みなのでシャーシに貼り付けます。

3diffpp_6p43pe_ei_06.jpg

上段部を組み立てて、154mA相当の電流を流す想定で470Ω/20Wのセメント抵抗を3つ直列に繋いでその時のFETのドレイン側を測定してみたところ、234Vとなりました。電源トランスのヒーター端子にも同様に3.9Ω/20Wの抵抗を2回路分付けています(片チャネル = 0.625A x2 + 0.4A)。220Vを出力するとして、本番ではFETで (234 - 220) x 0.154 = 2.156Wを消費することになります。

3diffpp_6p43pe_ei_07.jpg

一気にもう片側の電源部を組み立てました。実験中に立てておくためにスペーサの先に貼付け式ボスを付けてこけにくくしています。


ここまで来たら、一気に作成です。
初段部の回路と電源回路を1つのラグ板に乗せることにしました。

3diffpp_6p43pe_ei_08.png 3diffpp_6p43pe_ei_09.jpg

ドライバ段、出力段の回路は真空管という事もあり、アルミ板の端切れを使って仮組をしました。段間のコンデンサですが、少し大きな物を使用しているので、実際にケースに取り付けた時を想定して、Lラグの端子から上側に向けて取り付けています(使用時は下向き)。こうする事によって斜め方向ではなく垂直方向しか力(自重)がかからなくできる目論見です。

3diffpp_6p43pe_ei_10.png 3diffpp_6p43pe_ei_11.jpg

電源トランス、出力トランス、入力RCAコネクタ、ボリューム、ダミーロード(セメント抵抗8Ω)を接続して電源ONで各箇所の電圧チェックを行い、おおよそ設計の通りに成っていました。NFBも位相を考えて配線したのが功を奏したのか発振することなくスムーズに作業が行えました。ここまで来ると若干心に余裕ができてきて、NFBの量を調整少し調整箇所をいじってみましたが、ぺるけさんが言われている通り、PMF-25Pでは周波数特性が120kHz以上から暴れてくるようになりました。

3diffpp_6p43pe_ei_12.jpg 3diffpp_6p43pe_ei_13.jpg

このバラック状態では細かく特性を取りながら調整してもあまり意味がないと思い、次はケース加工に移ろうと思います。

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