全段差動プッシュプルアンプ_6P43P-E(その1)

ロシアの真空管6P43P-Eの三極管結合(三結)のEp-Ip特性が手に入ったので、その図をジッと眺めていると左側の線が寝てなく、グリッド電圧の変換もほどほどに等間隔の領域を使用したアンプをどうしても作ってみたくなりました。

6p43p_triode_099.jpg

6P43P-Eは三結では不明ですが、五極管としては12W出せる球です。が、そんなにも出すと周りの回路が少々複雑になるのと、前述の目的のために出力はあまり気にせずかといって無駄に電力消費の激しいアンプになるのはどうかと思い、3.5Wで差動PP用のロードラインを引いてみました。

6p43p_4kohme.png  6p43p_1_75kohme.png

負荷抵抗RLを4KΩにした場合と1.75KΩにした場合とで引きましたが、目的に合うのはやはり1.75KΩの方です。変換効率なんてガン無視です。何でこんな中途半端な抵抗値なのかと言うと、用意に入手できる出力トランスって値に限りがあり、PP用ではたいてい8KΩか5KΩで、ロードラインを引く時はその半分の4KΩ, 2.5KΩになるんですよね。今回の1.75KΩというのは春日無線に KA-3.5-54P という3.5KΩの出力トランスがあったので引いてみました。KA-3.5-54Pは最大10Wまで使用でき、片側でDC70mAまで流せるのでこのロードラインでも使えるトランスとなります。

このロードラインだと、グリッド電圧を±11Vくらいを余裕で振らせる様に前段を設計しないとダメなのですが、そうなると出力段の前で2段増幅くらいしたい勢いです。しかし、段数を増やすと回路が複雑になるので、何とか全部で2段増幅としたいところ。2段増幅では2SK30Aでは足りなくて、2SK117…は手持ちが無いので、2SK170を使った全段差動プッシュプルでしょうか。全体的な回路構成はミニワッターの全段差動プッシュプル版にして少しパワーアップした感じに仕上がると良いかもです。

試しに2SK170でロードラインを引いてみました。

6p43p_2sk170_loadline.png

ドレイン-ソース間電圧が最大定格の-40Vにかなり近いのが気になりますが、こうでもしないと±11Vを綺麗にとれないのでこれで行きましょう。2SK117だと-50Vまで行けたのにな…。Idssは8mA以上あった方がよさそうです。



総合利得の計算をしてみます。

初段の2SK170の順方向伝達アドミタンスは、ドレイン電流を1.75mA流すとすると、だいたい18mSになります。

6p43p_2sk170_gm.png

これに8.2kΩのドレイン抵抗を付けるので

  18mS x 8.2kΩ = 147.6倍

でも、ソース側にバランス調整用の抵抗を入れているので、その分利得が減るので
  47Ω // (100/2)Ω = 24.2Ω
  8.2kΩ / 24.2Ω = 339
  (147.6 x 339) / (147.6 + 339) = 50036.4 / 486.6 = 102.83倍

出力段の利得はロードラインを引いた図を基に30mA,118Vの点の増幅率μ,内部抵抗を取り出して計算すると

  μ×({負荷インピーダンス÷(内部抵抗+負荷インピーダンス)}
  = 6.4 x (1.75kΩ / (980Ω + 1.75kΩ) = 4.1倍

出力トランスでの変換も利得計算に入れるのでインピーダンス比から巻き線比を出して、かつ、10%くらいの変換ロスを加味すると

  1/17倍

これらの値から、無帰還時の利得を算出すると

  102.83 x 4.1 x 1/17 = 24.8倍

最終利得を5.7倍くらいにしたいので、結構負帰還をかけられそうです。
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2段直結シングル ミニワッター 6N6P 改良版 (その1)

ぺるけさんのHPに出会って真空管アンプを作るようになったのですが、今まで全段差動プッシュプルアンプしか作ったことがありませんでした。

真空管アンプの素」というシングルアンプの本も発売直後に購入して読破したのですが、どうにも重い腰が上がりませんでした。それもこれも「シングルアンプは低音が出ない」というのがネックとなっています。出力トランスのコアサイズを大きくすればある程度カバーできるらしいのですが、プッシュプルアンプ用の出力トランスの小ささを見ると敬遠してしまってました。

少しアンプの作成から遠のいていた時期があり、久しぶりにアンプを組もうとしてその前に復習とばかりに「真空管アンプの素」を読んでみるとある面白そうな案が浮かんだので試したくなりました。それをするにも先ずは本に書かれている素のシングルアンプを組む必要があります。そう思ったら、いても立ってもいられなくなり、腰を上げたしだいです。

全段差動プッシュプルアンプを作る為に6N6Pを(少し多めに)購入していたので、これを使用することにしました。本では複数の種類で回路を組めるように書かれていて回路図中に6N6P用の具体的な値(抵抗値等)が書かれていなかったのですが、HPに具体的な数値が書いてありました。また、改良版として電源の強化と負帰還定数の見直しがされていたのでこれらを入れ込みました。

scan_02.jpg scan_01.jpg

後で回路変更する予定なので、20Pの平ラグ 1枚ではなく電源部とアンプ部を分けた2枚構成です。それにより、改良版で入った電源部の電解コンデンサを電源部側に乗せることが出来ました。

3連休の初日に秋葉原で足りない部品を購入してきて2日で仮組み状態で音が出るところまでこぎ着けました。愛用の奥澤のケース(O-46)が欠品中だったのが残念です。今度から事前に連絡して取り置きして置いてもらおう。

RIMG0599.jpg

本チャンに使い回しが出来るように配線はかなり長めで取り付けたので何かグッチャリとしてますね (^^; 入念に確認してから電源を入れて各部の電圧をチェックしていたら、ヒーター電圧が12Vありました! ビックリです。直列に繋いでると思っていたら並列に繋いでいました。ヒーターが明るいと思いましたよ。1分くらい12V状態だったけど大丈夫かな…。6.3Vに繋ぎ直して各部の電圧チェックを済まして、スピーカを繋いで音出ししてみたところ、しっかりと音が出てくれました。今のところ大丈夫そうです。真空管をつるし上げる為の台は…こちらのスピーカ・スタンドを作った時の余りです。


仮組状態で利得を計測しました。

裸利得:左 = 6.33倍
    右 = 5.88倍

利得(NFB):左 = 3.73倍
      右 = 3.62倍

少し左右不揃いですが…、部品の選別をしていないのと球のばらつき具合でしょう…と思っておきます。兎にも角にも裸利得を知っておきたかったのでこれでゴニョゴニョできます。

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ミニワッタ-PP(6BQ7A) その8

やはり、もっと精度のいい歪み率を計測したいと思い……オーディオ・アナライザを買ってしまいました!! そうです、この値を測るのに大枚をはたくなんて大馬鹿者です。でも、オーディオ馬鹿としてとことん追求したいのです。

RIMG0388.jpg

Panasonic VP-7723B です。
発信器としても使えるので、これ一台で100Hz, 1kHz, 10kHzの歪み率(THD+N)を計測する事が出来ます。


ということで、早速作成したミニワッタ-の歪み率を計測してみました。

歪み率_Lch_アナライザ 歪み率_Rch_アナライザ

左画像 右画像

左がL-ch, 右がR-chの歪み率です。
前回計測したのとグラフ左下方がかなり違います。これが専用機の所以なのでしょうか。L-chは3つの周波数全て揃っているのに、R-chは100Hzが歪み率が若干大きいのと、全体的にL-chとは異なった歪み方をしています。

今まで作成したアンプを再計測したくなってきましたね…。

ミニワッタ-PP(6BQ7A) その7

底板も作成し…と言っても、アルミ板にφ7mmの風穴を7x6=42個空けて隅にφ3mmのメネジ穴を切りゴム足を付けただけです。そんでもって暫く試聴しました。やはり、ミニワッタ-といえども全段差動PPの音ですね。

RIMG0387.jpg

6BQ7Aをじっくり観察していたら、2つに違いがありました。同じRCA製ですが、片方はヒータの上が繋がってますがもう片方は繋がってなかったです。


作りっぱでは何なので、特性を計測しました。

周波数特性

歪み率

クロストーク

どれもなんだか違和感ありありです。クロストークの計測は2回目で、1回目にあまりにも高域が悪すぎるのでなんなんだろと思ってぺるけさんのページをじっくりと読んでいると書きかけの「シングルミニワッタ-・チューニング・ガイド」と共に、それに付随して6N6P全段差動PPアンプの電源部の説明に追記があり、+BとGND間に10uFの電解コンデンサが入っていました。

ものは試しと思い、かなり無理クリ取り付けてみました…が、特性上余り変化無しでした。いろいろとチェックしている内に、筐体を接地していない事に気がつきました。マジで~ってな感じでしたが。で、Lラグの真ん中とアース母線を繋いで筐体を接地した所、ピークが10dB減りました。先の計測結果は減った後の測定値ですが、相変わらず、1kHz以上は悪いです。配線の引き回しもチェックしてみましたが、さほど効果無し。打つ手無しなので、取りあえず保留としました。

歪み率は…どうなんでしょう? オーディオアナライザみたいな本格的な物は持っていないので、自作の低歪み率正弦波発生器WeveSpectraの組み合わせで計測していますが、他の人のを見ると、もっと低歪みで「し」の字を左右反転したような計測結果になっていますが、私のは…。どうなれば正しいのか「?」です。オーディオアナライザ、欲しくなってきますね。

できあがったアンプは当初の予定通り、TVに繋げられる位置に置きました。2晩ほど、TM NETWORKのブルーレイを見たり他の曲を聴いたりしてました。

ミニワッタ-PP(6BQ7A) その6

配線も完了し、完成しました。
まだ底板を作って無いので本当の完成ではないですが。

RIMG0384.jpg

RIMG0385.jpg

RIMG0383.jpg


各所の電圧を計測し、ほぼほぼ予定通りの値になっている事を確認しました。この後、周波数特性とノイズ計測、クロストーク確認と計測系を一通り終わらさないとです。一発で音出し成功している分、未だに小発振しているのではないかという疑問をぬぐい去れません。計測は時間と根気が必要なので、休みの日に少しずつやっていきますかな。

出てくる音は、全段差動PPらしい低音の効いた音です。
ミニワッタ-なので、どのくらいの音量になるか気になりましたが、当初の使用目的であるTV用(映画等鑑賞時)として使えるレベルです。爆音は出せませんけどね。

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