トランス式 USB-DAC LCフィルタ版 その2

その1で計測した周波数特性ですが、6Hz付近がポッコリと膨らんでいます。入力波形の振幅を下げるとポッコリがなくなるかも…という話がありましたので、-6dBの波形を取ってみましたが、今度は20Hz以下で徐々に上昇していくというとんでもない波形になってきました。

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_10_VR2_820_R_12k_02_freq.png

周波数特性を計測するときに使用している電子電圧計はテクシオ・テクノロジーのGVT-417Bで周波数応答が20Hz~200kHz:±3%、10Hz~1MHz:±10% となっています。なので、20Hz以下って全然当てにならなさそうなんですね。こりゃまいった…です。なだらかに落ちていってくれているとあまり気にしなかったのですが、ポッコリと出っ張っていたり、上昇していったりなのでこの部分を正確に知りたくなってきました。

そこで白羽の矢が刺さったのがデジタルオシロスコープです。岩通のDS-5354で500MHz,2GS/sと高速サンプリングが可能です。タイ米を叩きましたから…。このオシロの補助機能でRMSを出してみると、-6dBFSではフラットな特性が続いている事が分かりました。それと次のように周波数が低くなってくると妙な歪み方をしている事が分かりました。

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_7Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 7Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_6Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 6Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_5Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 5Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_4Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 4Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_3Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 3Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_2Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 2Hz

LC_Filter_L2_7mH_C0012μF_R820_R_12k_1Hz
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ, 1Hz

AKI-DACのC5,C6でHPFが形成されているのは周波数が低くなるにつれて振幅が小さくなっている事から分かるのですが、ここまで波形が歪むとは思ってもいませんでした。


低周波数での歪みの事はさておき、テスト治具のL1,C1,VR1,VR2を変更した時の波形を計測してみました(いくつかはオシロの存在に気がつく前に測定した結果です)。L,Cの選定は共振周波数を計算して適度に組み合わせています。

LFP_resonance_frequency.png

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_0_VR2_820_R_12k_freq.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_5_6_VR2_820_R_12k_freq.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=5.6Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_10_VR2_680_R_12k_freq.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=10Ω, VR2=680Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_10_VR2_820_R_12k_02_freq.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=10Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_3_3mH_C1_001uF_VR1_0_VR2_750_R_12k_freq.png
L1=3.3mH, C1=0.01μF, VR1=0Ω, VR2=750Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_3_3mH_C1_001uF_VR1_0_VR2_820_R_12k_freq.png
L1=3.3mH, C1=0.01μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ

LC_Filter_L1_3_3mH_C1_8200pF_VR1_0_VR2_820_R_12k_freq.png
L1=3.3mH, C1=8200pF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩ

ここから分かったのは、L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR2=820Ω の時にかなり良い特性を引き出す事ができるという点です。VR2の値を変化させると右肩の鋭さが変わってきます。L1,C1を変化させるとLPFの鋭さが変わってくるのか全体の傾向が変化します。VR1 の値は周波数特性に関してはあまり関係ないみたいです。ただし、雑音歪率に影響していそうです。

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_0_VR2_820_R_12k_dist.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12KΩ

LC_Filter_L1_2_7mH_C1_0012uF_VR1_10_VR2_820_R_12k_dist.png
L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=10Ω, VR2=820Ω, R1=12KΩ

若干ではありますが、VR1=0Ωの方が雑音歪率が良いです。
ここまでの計測結果から、L1=2.7mH, C1=0.012μF, VR1=0Ω, VR2=820Ω, R1=12kΩに設定すると良い特性が得られそうです。ただ、NIHON KOHDEN TKD-T-2(600Ω:10kΩ)は2次側が10kΩであり、私はその後続に50kΩのボリュームを付ける事になる事から、R1=12kΩとするより、R1=13kΩとする方が合成抵抗が10kΩに近づきます。手持ちに13kΩが無かったので今回は試せていませんが、調達して計測してみようと思います。
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