オーディオ用 R-2R型DAC (その17)

その11で作っていた(それからも改造している)基板を使ってFETに抵抗をパラる回路を作成して波形を録ってみました。パラった抵抗は10kΩです。

fet_r2r_non_dump_reg_400kHz_PP_01

結局、10kΩをパラってもスイッチング速度に変化がありませんでした。
トホホです。

遅ればせながら、LTSpaceで同様の回路をpcm1723さんがシミュレーションされたascファイルをベースにシミュレーションしてみました。抵抗をパラにしない版とパラにした版でそれぞれのシミュレーション結果です。パラにした版はパラった抵抗の値を変更させています(緑:10kΩ, 青:1kΩ, 赤:100Ω, 薄青:10Ω, ピンク:1Ω)。FETにはLTSpiceに最初から入っているFD84885Cという、P-ch,N-chが1つづつ入ったICのモデルを使いました。

fet_r2r_dac_normal_schematic

fet_r2r_dac_normal_waveform


fet_r2r_dac_speed_up_schematic

fet_r2r_dac_speed_up_waveform

結局、抵抗をパラに入れる場合は低い値にしないと駄目で、シミュレーションを参考にすると 100Ω以下になります。ただ、この構成で100Ω以下にすると R-2R の枝の各部分で 50mA以上流れる事になり、24bit分だと1.2Aに成ってしまいます。これではパワーアンプ並みに電力消費が激しいDACになってしまいます…。

パラ抵抗は駄目だ……。
もう案が出尽くした感がし、ぼ~っとしていたところ、ふとFETにFETをパラる事を思いつきました。

そもそもこの回路でスイッチング速度が上がらないのは、FETのS-D間に入る寄生ダイオードによる静電容量(逆電圧をかけると電荷を蓄えてしまう)が要因(FETのデータシートでは出力容量Cossとして現れる)で、FETのスイッチング時にこの電荷をいかに逃がすかが問題になる。この電荷の逃げ先には10kΩの抵抗が繋がっているので、チョロチョロとしか移動しないのが原因。でも、R-2Rラダー型を形成するためにはこの抵抗が必要で…。

R-2Rの抵抗値を小さくするというのも手ではあるが、この抵抗値を100Ωにするのはチョッと考え物です。なので、低ON抵抗のFET(Coss大)にON抵抗の値が程ほどのFET(Coss小)をパラに入れることによって、後者のFETで先に導通を確立すると共に、前者のFETの寄生電荷を逃がす手助けをさせるという寸法。

FETをパラるテスト基板を作るには部品が足りないのと、そろそろユニバーサル基板で作業するのが不可能になってきたので、テスト用の基板を設計してみようと思うので少し時間と気力が必要です。なので、その前にLTSpiceでシミュレーションしてみました。各FETのmodelファイルは使おうと思っているのを各社HPからDLして入手しました。その結果が以下です。

fet_r2r_dac_speed_up_3_schematic

fet_r2r_dac_speed_up_3_waveform

fet_r2r_dac_speed_up_3_waveform_2

なかなかいい感じになってます。
部品の手配と基板設計をしますか。
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