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FET差動バランス型ヘッドホンアンプの作成(その2)

オリジナルの回路とは初段の差動回路の増幅率が変わることになるが、最終利得はヘッドホンに丁度いいとされる9dB(2.83倍)にしたいので、この値に近づけられる様に負帰還の量を調整します。帰還に使われている回路はp-g帰還回路です。利得の計算方法と入力インピーダンスの計算方法は以前に記載した通りです。

HPAへの入力は残念ながら手持ちではアンバランス型しかありません。なので、これを基準に今所持しているHPA(ぺるけ式 FET式差動ヘッドホンアンプ(AC100V版))と最終利得が同じになるように帰還量を調節します。この回路ではアンバランスの入力をバランスに変換するとそれぞれの振幅が1/2になります。が、出力結果をヘッドホンの両端で使うので2倍になり、結局分割して計算しなかった利得と同じになります。

この回路の想定では…。

・裸利得=21倍
・最終利得=9dB(2.83倍)

この値をベースにして帰還に関連する抵抗値を決定しなければなりませんが、ここが頭を悩ませるところです。E-24系列の抵抗値を用いて帰還量と調整して…とやっているとなかなかめんどくさいので、プログラムを作成してみました。

【ソースコード】
balanced_diff_hpa_pg_gain_rs_rf.cpp

【出力結果】

Rs=24000, Rf=82000, pg_gain=2.82295, input=27727.3, diff=0.0070491
Rs=240000, Rf=820000, pg_gain=2.82295, input=277273, diff=0.0070491
Rs=22000, Rf=75000, pg_gain=2.81753, input=25409.1, diff=0.0124686
Rs=220000, Rf=750000, pg_gain=2.81753, input=254091, diff=0.0124686
Rs=18000, Rf=62000, pg_gain=2.84279, input=20818.2, diff=-0.0127948
Rs=180000, Rf=620000, pg_gain=2.84279, input=208182, diff=-0.0127948
Rs=47000, Rf=160000, pg_gain=2.81407, input=54272.7, diff=0.0159296
Rs=15000, Rf=51000, pg_gain=2.81102, input=17318.2, diff=0.0189763
Rs=20000, Rf=68000, pg_gain=2.81102, input=23090.9, diff=0.0189763
Rs=150000, Rf=510000, pg_gain=2.81102, input=173182, diff=0.0189763
Rs=200000, Rf=680000, pg_gain=2.81102, input=230909, diff=0.0189763
Rs=27000, Rf=91000, pg_gain=2.78978, input=31136.4, diff=0.0402189
Rs=270000, Rf=910000, pg_gain=2.78978, input=311364, diff=0.0402189
Rs=43000, Rf=150000, pg_gain=2.87409, input=49818.2, diff=-0.0440877
Rs=16000, Rf=56000, pg_gain=2.88235, input=18545.5, diff=-0.052353
Rs=160000, Rf=560000, pg_gain=2.88235, input=185455, diff=-0.052353
Rs=30000, Rf=100000, pg_gain=2.76316, input=34545.5, diff=0.066842
Rs=33000, Rf=110000, pg_gain=2.76316, input=38000, diff=0.066842
Rs=36000, Rf=120000, pg_gain=2.76316, input=41454.5, diff=0.066842

この結果より、信号に直列に入っている抵抗Rsと帰還抵抗Rfは Rs=47kΩ, Rf=160kΩ とするのが妥当なようです。

アンプ部分の全体の回路はこんな感じになります。

balanced_diff_hpa_01.png

差動増幅の定電流回路はJFETに変更しています。

出力コンデンサの出力側とGNDを繋いでいる150Ωの抵抗はヘッドホンを挿入せずに電源を入れた時に発振しない様に付けられているらしいです。それと、この抵抗がないと本体電源ON後にヘッドホンを繋いだ時に出力コンデンサに電荷が急激に溜まり、ポップノイズとなるのでそれを防ぐ効果もあるようです。
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