真空管 Vp-Ip特性図からの検討(画像から値の抽出)

私はオーディオアンプのロードラインの検討には、基本的にデータシートにある Vp-Ip特性図を用いています。しかし、この方法にはある程度の経験が必要で、アンプ作りの経験が浅い私にとってどのような線を引けばより良くなるのかをロードラインから読み取る事が困難です。いつも、えいや!! で引いてますが、もう少し良い方法はないかといつも思っていました。そこで、経験が浅くてもVp-Ip特性図を使って何か検証ができないかと色々と試そうとあがいてみます。

何はともあれ、PCのデータとして扱うには「図」になっている事が大きな障壁です。これを何とかExcel(2013を使ってます)のデータに持って行ければ、後はデータ処理になります。何か良い方法はないかとググっていると、DigitalCurveTracer というソフトに巡り会いました。詳細説明には「画像化してしまったグラフの座標を読みとって数値化するソフトウエアです。」と書いてあります。これは使ってみるしかありません!!


えぇ……いきなりですが、結論から先に書くと「根気があれば出来る」です。
大変な作業ではありますが、やることは結構淡々としていて空いた時間にチマチマと作って行けばできあがります。以下に私のやった方法を記載します。もっと良い方法があるかもしれません。


【DigitalCurveTracerをインストールする】
はい、これが無いと始まりません。Vectorにありますのでインストールしてください。私の環境は Win7 64bit ですが、正常に動作しました。


【画像データを用意する】
数値化する画像を用意します。最初から電子化されている特性図を使用するのがベストです。真空管のデータシートは紙データをスキャナで取り込んだ図や、オシロスコープの画面を撮影したもの等ありますが、図が傾いていたり、湾曲していると正確な値を取り込めません。画像処理ソフトを利用して修正すれば何とかなると思いますが、それなりに大変です。今回は6BQ7Aのデータシートを使用しました。若干歪みがありますが、誤差範囲です。

PDFにある画像をPCの PrintScreen ボタンを使用してコピーして、Windows付属のペイントに貼り付けて DigitalCurveTracer が読み込めるフォーマット(BMP, JPEG)形式で保存します。

VpIpPdfExcel_001.jpg

この図を DigitalCurveTracer が処理しやすくするために、無数に引かれた縦横の線を消します。っと、ここで注意しておく事があります。DigitalCurveTracer は画像のどの位置がどの値に対応するのかを任意の2点を指定する事によって判断します。なので、2点が分かる情報は残しておいてください。私の場合はベースの画像をファイルごとコピーして縦横線を消した画像を作成して、ベースの画像で2点を指定して、その後、解析しやすくしたファイル(位置が移動しないように注意して編集する)を読み込ませる方法をとりました。

VpIpPdfExcel_001.jpg VpIpPdfExcel_002.jpg

縦横の線を消す作業はペイントで行いました。消しゴムでケシケシ………………。
この縦横の線を消す作業に6時間くらい費やしてしまいました。初めてってのもありますが、途中で心が折れそうになったのも原因です。逆にやる気と根気があればもっと早くできると思います。

【グラフの値を取り込む】
DigitalCurveTracer を起動し、元画像を読み込みます。値の基準となる点の値を設定します。青と緑の十字線を適度な場所に移動させて、「座標設定」ボタンをおし、各点の値を入力します。

VpIpPdfExcel_003.png

これ以降は DigitalCurveTracer を終了させないで作業します。青と緑の点を移動させない限り、同じ座標(値)を使いまわす事ができます。

次に、縦横線をケシケシした画像を読み込ませるのですが、今のままでは誤判断する可能性が高いので、より確実にするために、1本の線だけの画像を作って読み込ませます。「Start Point」で線の左下を選択し、「End Line」で解析の終了位置を指定します。

VpIpPdfExcel_005.png

「トレーススタート」ボタンを押します。赤丸印が目的の線の上をトレース出来ていたら成功です。右側の欄にトレース結果が出ますので、この値を全選択してコピーし、Excelに貼り付けます。

VpIpPdfExcel_006.png

次の様にトレースに失敗した場合は画像のいらない部分を消して再挑戦です。

VpIpPdfExcel_007.png

【グラフ化する】
全グラフ用のデータをExcelに取り込み、散布図でグラフ化します。以下の例ではB列にVgs=0.0Vの時のVpの値を、C列にIpの値を取り込んでいます。

VpIpPdfExcel_008.png

これに、各Vgsのグラフを足していきます。グラフエリアを選択して「グラフツール」の「デザイン」のデータの選択をクリックすると「データソースの選択」ダイヤログボックスが表示されます。「凡例項目の追加ボタンを押して」他のVgsの時のデータもグラフに表示する様にします。

VpIpPdfExcel_009.png

次の図はVgs=-1.0Vのグラフを追加した状態です。

VpIpPdfExcel_010.png

これで画像からグラフを作成できました。

ただ、この状態では「画像取り込み」と同じです。次のステップに行く前に、少々小細工をしておこうと思います。それは、近似曲線を描くことです。今までは点で扱っていた値を式にする事で、今後の解析に役立ちます。それと、点で取ってきた時の誤差も誤魔化せますしねっ。

【近似曲線を描く】
近似曲線にしたいグラフを右クリックします。ポップアップから「近似曲線の追加」を選択します。

VpIpPdfExcel_011.png

近似曲線のオプションで「多項式近似」を選択し、次数を「6次」にします(元の線から大きく異なっていないのを確認しておきます)。

VpIpPdfExcel_012.png

線を実線にして元のデータの線を「線なし」、マーカーなしに設定します。

これらを全Vgsのグラフに対して行えば、以下の様なグラフができあがります。

VpIpPdfExcel_013.png


2013/03/25 追記
散布図でデータソースの追加をX,Y軸両方追加しているとExcelの動きがものすごく重くなります。更に、近似曲線にしていると重さも倍増してしまいます。私のマシンで1クリック1分とかかかりました。なので、近似曲線をやめて、更にこの「教えて!goo」の解答を参考にグラフを描くように変更しました。
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